なぜ、親指シフト・キーボードを支持するか 
 ソフト編
 (「月刊アスキー」1999年10月号掲載)



親指シフト・キーボードで、肩こりも解消?

 先日、ある文学雑誌で、「ワープロ派対手書き派」というアンケートがありました。そして、手書き派の意見の中には、少なからず、ワープロ機やPCにおけるキーボードの敷居の高さを指摘する声があったのです。すなわち、「キーボード自体がひどく扱いにくい」とか、「ばらついた文字の配置が覚えにくい」とか、「いちいちローマ字で打つのがわずらわしい」とか、「いつまでもタッチタイプができない」とか、「長時間キーボードを触っていると、指や手や肩が痛くなる」などという指摘です。
 しかし、そうした声のほとんどが、既成の(そして、メーカーお仕着せの)JISキーボードに起因するものであったのも事実です。ですから、そうした無駄な苦労や努力を払拭したいと考えるならば、今すぐJISキーボードは捨てて、その代わりに、親指シフト・キーボードを使いましょう。そうすれば、あなたにの未来にも、快適なワープロ・バソコン生活が開けるのです!

 ところで、親指シフトの利点をあたらめて挙げると、次のようになります。
 (1) 親指シフトならば、「あ」なら「あ」というように、日本語を日本語で入力でき る。
 (2) 親指シフトは、かな文字を3段のキーに収めており、しかも、1文字は1ストロークで入力できる。
 (3) 親指シフトでは、左右の指を均等に使い、交互に打鍵する頻度が大きいので、指、手、腕、目、肩の疲れが少なくてすむ。
 また、親指シフト配列は、富士通の占有ではありません。日本語入力コンソーシアムによってNICOLA配列として仕様が公開されています。
 とは言え、新しく親指シフト・キーボードを購入したり、親指シフト(NICOLA)配列のノートPCを購入するとなりと、先月御紹介したとおり、ある程度の投資が必要になります。また、出先で、手元にあるのはJISキーボードだけだが、どうしも親指シフト入力がしたいとか、新たな投資をする前に、親指シフト入力の使い心地がどんなものか試してみたい、と思うこともあるでしょう。
 そのための良い方法があります。それは、一般のJISキーボード上において、親指シフト入力を擬似的に実現するエミュレーション・ソフトを導入することなのです。つまり、これを導入することによって、キーボード上の実際の刻印とは異なり、親指シフト(NICOLA)配列によって文字を入力することができるようになるわけです(注:アルファベットの位置は変わりませんので、英語などの入力に戸惑うことはありません)。

 そのエミュレーション・ソフトには、次のようなものがあります。

親指ひゅんQ]日笠健氏作(フリーソフトウェア)
Q's Nicolatter]堀川久氏作(シェアウェア)
Nickey]福地弘哲作(シェアウェア)

 これらのソフトが、どのような機種で使えるか紹介すると、次のようになります(Windows2000やLinux環境での使用方法については、各ソフトのマニュアル、あるいは、@NIFTYのキーボード会議室などの書き込みを参照にしてください)。

● デスクトップPC(DOS/V、NEC 9821) Windows95/98環境
 [親指ひゅんQ][Q's Nicolatter]

● デスクトップPC(マック)
 [Nickey]

● ノートPC(DOS/V) Windows95/98環境
 [親指ひゅんQ][Q's Nicolatter]

● ノートPC(マック)
 [Nickey]

[親指ひゅんQ][Q's Nicolatter][Nickey]などのソフトは、次の所からダウンロードできます。

 日本語入力コンソーシアムのホームページ:http://nicola2.sunicom.co.jp/nicola/
 @NIFTYのNICOLA・キーボード・フォーラム:http://www.nifty.ne.jp/forum/fkboard/

 なお、これらのエミュレーション・ソフトを使えば、基本的にどのようなJISキーボードも親指シフト配列化できますが、より快適に使いたいと思えば、キーボードもそれに適した物を選択した方が良いでしょう。というのは、親指シフト・キーボードでは、[無変換キー]と[変換キー]がほぼ[文字入力キー群]の中央下部にバランス良く並んでいます。したがって、この疑似親指シフトでは、[スペース・キー]を[変換キー]として代用します。ですから、[スペース・キー]がやたらに長い物よりも短めで、また、中央寄り(Vの下、右方向寄り)の物の方がタイプしやすく、[無変換キー]も大きめの方が良いでしょう。できるだけ、そのようなJISキーボードを選んでください。


[親指ひゅんQ]を使って、親指シフト入力をしてみよう!

 実際に、フリーソフトの[親指ひゅんQ]の例を見ながら、導入方法を説明しましょう。
説明は、Windows98を導入したPCを用いて行ないます。
 このソフトの現時点での動作環境は次のようになっています。
 Microsoft(R) Windows(R)95日本語版
 Microsoft(R) WindowsNT(TM)4.0(Service Pack 1)日本語版
 Microsoft(R) WindowsNT(TM) 3.51(ServicePack 3以降)日本語版
 Microsoft(R) Windows(R)98日本語版
 Microsoft(R) Windows(R)2000日本語版
 Intel CPU以外では動作しません。また、3.51については運が良ければ動くといった程度だそうです。

1、[親指ひゅんQ]をダウンロードする。
 最初に、インターネット・エクスプローラー(以下IE)などのブラウザを用い、日本語入力コンソーシアムのホームページを見に行ってください。そのトップ・ページに[ダウンロード]というボタンがありますから、これをクリックします。
[ダウンロード]のページに並んでいるソフトの内、[親指ひゅんQ]を選び、「ダウンロード」という文字部分をクリックします。すると、保存ダイアログが開くので、適当なドライブと適当なフォルダ(たとえば、C:\DOWN)を選んで、そこに OYAQ426.LZH を保存します(注:426といったリビジョン番号は、バージョンアップによって変化します)。

2、OYAQ426.LZH というのは、圧縮(アーカイブ)プログラムであり、この中に、OYAOYAQ.EXE、OYALIBQ.DLL、OYAQ.HLP、OYAQL.EXE という個別のプログラムがありますので、アーカイブを解凍して、このプログラムを取り出します。圧縮プログラムを解凍するには、別途、圧縮・解凍ソフトや DLL が必要ですが、これについての説明と使用方法は省略します(注:「月刊アスキー」の付録であるCD-ROMによく収録されています)。

3、解凍した個別プログラムを、適当なフォルダー(たとえば、C:\OYAQ)にコピーします。そして、OYAOYAQ.EXEへのショートカットを作成します。このショートカットを、スタートアップ・フォルダに入れておくと、PC及びWindowsシステム起動時に、[親指ひゅんQ]をアクティブにすることができます。あるいは、デスクトップにショートカットを置き、文字入力を始める前にこれをクリックしてください。

4、[親指ひゅんQ]には、特別なインストーラーやインストール処理はありません。アンインストールを行ない時には、ファイルそのものや、スタートアップ・フォルダ内のショートカットを削除するだけですみます。したがって、気軽に試すことができます。

5、[親指ひゅんQ]を起動すると、タスクバー右端(または下端)のトレイ(インジケータ領域)に「Q」という小型のアイコン(親指ひゅんQインジケータ)が表示され、常駐します。

6、この状態で、親指シフトで文字を入力するには、日本語入力IMEの変換ウィンドウのオープン時の初期モードが「かな入力」であることが必要です。各日本語入力IMEの設定を、事前に、「ローマ字入力」から「かな入力」に変えておいてください。その際、「自動カナロック」機能があるものは、これをONにしておいてください。ない場合は、日本語入力IME起動時に、キーボードの[カナ/ひらがな・キー]を押し下げて、手動でカナロックしてください。
 ちなみに、ATOK13の場合、その「プロパティ」の中に、これらの項目があります。

7、漢字の変換や確定といった動作は、[親指ひゅんQ]が行なうのではなく、各日本語IMEが行ないます。したがって、親指シフト入力に適したように、[無変換キー]などの 各特殊キーには、それに見合った機能を割り当てておく必要があります。
 たとえば、ATOK13の場合、[無変換キー]は標準では「半角無変換固定入力ON/OFF」ですが、これを「部分確定」や、「順次カタカナ後変換」などに設定するわけです。

8、「親指ひゅんQ」の配列変換モードのオン/オフ、プロパティの変更、プログラムの終了を行う場合は、「Qインジケータ」を右クリックしてポップアップ・メニューを出し、該当するメニュー項目を左クリックでオンにします。使い方(ヘルプファイル)を読むためには、「Qインジケータ」を左ダブルクリックすることで開かれるバージョン情報ダイアログボックス内の「使い方」を選択します。

9、NICOLA配列への変換や、同時打鍵動作を有効にするためには、ポップアップ・メニューまたはプロパティ・シートにおいて 配列変換モードを選択します(「NICOLA配列」または「NICOLA配列にする」をオンにする)。ポップアップ・メニュー内の「NICOLA配列」という項目の頭にチェック記号が付いていれば、それは配列変換モードで動作していることを示しています。
 これ以降は、再度「NICOLA配列」をクリックして配列変換モードを解除するまで、親指シフト配列の入力が可能になります。
 起動時からNICOLA配列にする場合には、プロパティ・シートにおいて、「起動時からNICOLA」を選択し、「OK」ボタンにより 設定内容を保存しておきます。

10、「親指ひゅんQ」の細かい設定内容はヘルプファイルに書いてありますが、さらに、「@NIFTYのNICOLA・キーボード・フォーラム」においても詳細な説明があります。こちらの取り扱い方法も合わせて御覧ください。